『ソフトウェアの匠』読んだ
2章のシステム開発編はところどころ読んだので,完読というわけではない. 今から10年前に発行された書籍であるため,それを差し引いて読まないと混乱する. 雑誌の一記事でもあったようで,散文的にかかれているものの,面白い記述がいくつかあったのでメモ.
プログラミング言語
Matzの書いた文章はいくつか読んでいるつもりだったけれど, 他の文章では書かれていない基本的なことが書かれていて,面白かった.
プログラミング言語の分類として,
の3つの視点を導入していた.
1.に関しては言わずもがな.2.に関しては「型なし」,「静的な型」,「動的な型」の三種類. 「型なし」は意識していなかったので,言われてみればそうかという感じになる. そして,やはり動的型付け言語を支持するのね,という感想. 3.については,「手続き型」,「オブジェクト指向型」,「関数型」,「論理型」を主要な例としてあげていた.あとの章では別の人が,「手続き型」と「構造型*1」を分けて記述していたのも興味深い.
そして,プログラミング言語の譜系についての記述. COBOLやFORTRANなどの,古い言語が当時も生き残っていることについての記述. Perlのスクリプト言語の形勢逆転について.
ニールセンのユーザビリティの5つの構成要素を, プログラミング言語に当てはめて考えてみるというのは,彼らしいなと思った. 最後にプログラミング言語の進化のスピードは遅いというのも興味深いが,心あたりがあるという感じ.
アスペクト指向について書かれていて,びっくりした.
オープンソース
この一年間でOSSについての歴史について,結構読んだつもりだったけれど Debianコミュニティからの記述は恥ずかしながらあたったことがなかったので, 一つのフックができた気がする.
システム開発編
実は一番仕事に近い部分ではという気にもなっていたのだけれど, そもそもの知識がなさすぎて散文形式では読めなかった. 「オブジェクト論」と「デザイン・パターン論」そして,「システム・アーキテクチャ論」を流し読み. 「開発プロセス論」については,2014年の時代に則したものか,古くてもまともな一冊を読んだほうが良さそう.
検索技術論
結構,全文検索に寄った記述が多い文章を見かける事が多いけれど, これはライトに,「文字列検索」「情報検索」「検索インタフェース」について書かれている.
もともとこの本を読もうと思ったきっかけが,高林さんの記事を追ってみようと思ったからで, 実際はpre-printネットに書いてあるので,こっちを読んでも悪くなさそう. 高林哲の検索技術論
あと
キーボードの話と,特許の話は良かった. キーボード配列についての記述はよく見ていたけれど, 歴史的な側面から始まり,キーボードをハードウェアとして捉えているのが面白かった.
特許については,現状を考えると,はい.
- 作者: まつもとゆきひろ,萩原正義,八田真行,高林哲,羽生田栄一,日経バイト
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